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2023年10月において、住宅ローンの固定金利は軒並み上昇となりました。
これから金利はどうなっていくのか、金利はどのように選ぶべきなのかと不安を感じることもあるでしょう。
そこで本記事では、2023年現在の金利の状況や金利の選び方等を解説いたします。
目次
日本は2022年12月から金融緩和政策を取っています。
具体的には短期金利を-0.1%水準に、長期金利をゼロ%程度で推移するように操作しています。
この短期金利の影響を受けるのが住宅ローンの変動金利で、長期金利の影響を受けるのが住宅ローンの固定金利です。
さて、これまでの金融緩和政策では長期金利は-0.5%〜0.5%の幅で変動し、水準がゼロ%程度になるよう操作するとのことでしたが、この幅を1%に変更することとした、と発表されました。
このために長期金利が1%まで上昇する可能性が発生し、その影響により住宅ローンの固定金利が上昇することとなったのです。
2023年10月現在における金利一覧を下記にまとめました。
最新情報は各金融機関の窓口や公式サイトでご確認ください。
<2023年10月における各金融機関の住宅ローン金利>
金融機関名 | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 | 足利小山信用金庫 | SBI新生銀行 |
固定金利 | 0.94%〜 | 1.14%〜 | 1.76%~ | 1.3%〜 | 0.9%〜 |
変動金利 | 0.345%〜 | 0.475%〜 | 0.375%~ | 0.825%〜 | 0.29%〜 |
ざっと見る限りでは変動金利が安く、固定金利が高い印象を持ちますね。
しかし数字だけで判断するのは危険です。各金利の特徴を把握しておきましょう。
変動金利の場合、住宅ローン返済中に適用金利が上下します。
適用金利が下がれば支払い利息が減少しますが、上がれば利息は今以上に増加します。固定金利よりも安く設定されていることが多いようです。
固定金利の場合、期間中の適用金利は一定で、支払い利息は変わりません。
固定期間終了後は再度固定金利にするか変動金利にするか選択します。変動金利よりも高く設定されていることが多いようです。
住宅金融支援機構による「住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)」によると、
住宅ローン利用者のうち72.3%が変動金利を選択しています。
また変動金利の利用者は、世帯年収「600万円超~800万円以下」が最も多く、固定金利の利用者は、世帯年収「400万円超~600万円以下」が最も多いことが分かりました。
この結果より、世帯収入が金利の選択に影響していると示唆されています。
変動金利は、今後支払う利息が増減する可能性があります。支払い利息が減る分には問題ありませんが、増額となった場合でも住宅ローンを払い続けられるかがポイントになるでしょう。
先の結果で世帯収入が高いほど変動金利を選択している人が多いのは、金利上昇リスクに対応できるためと考えられます。
多少の金利上昇にも耐えられるなら、現在安い変動金利がおすすめです。
変動金利の上昇で家計が回らなくなる恐れがあるなら、固定金利を選択すべきでしょう。
固定金利は全期間固定だけでなく、10年固定のような期間限定型も提供されています。ある程度の期間だけ固定金利を利用するという選択方法もあるのです。
返済額を上昇させたくないなら、固定金利がおすすめです。
2023年10月現在において、固定金利に上昇傾向が見られます。一方で変動金利は据え置きですが、今後上昇する可能性もないとは言い切れません。
それでは住宅ローンを組む時期を遅らせたほうが良いのでしょうか。それも正解とは言えません。なぜなら今後金利が下がると決まっているわけではないためです。またマイホームで暮らす時間が短くなってしまいます。
理想のマイホームを見つけたら、その時点で返済可能な住宅ローンを探すのが最善でしょう。