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住宅ローンは毎月一定金額ずつ返済していくものですが、途中でまとまった金額を一気に返済することもできます。
これを繰上げ返済と言います。
繰上げ返済をすることで将来の負担を多少なりとも減らせるのですが、実は繰上げ返済をするタイミングや方法などによって、将来の負担額が変動してしまうのです。
今回は住宅ローンの繰上げ返済をうまく利用するためのポイントをまとめました。
住宅ローンの契約前に、ぜひ一度お読みください。
住宅ローンの繰上げ返済とは、元金の一部又は全部を前倒しで返済することです。
繰上げ返済した元金分の利子を払わずに済むため、住宅ローンの返済金額が圧縮されます。
繰上げ返済の方法には下記の2種類がありますが、金融機関によっては片方しか取り扱っていないこともありますのでご注意ください。
期間短縮型で繰上げ返済した場合、以降の毎月の返済額は変わりませんが、返済期間が短くなります。
返済額軽減型よりも軽減効果は大きくなります。
例:繰上げ返済をすることによって、55歳で払い終える予定だった住宅ローンが50歳で払い終えることになる。
生活資金に不安がなく、効率的に住宅ローンを減らしたいご家庭におすすめです。
返済額軽減型で繰上げ返済した場合、以降の毎月の返済額が軽減されますが、返済期間は変わりません。
例:繰上げ返済をすることによって、毎月10万円の返済額が毎月8万円になる。
軽減効果は期間短縮型に劣りますが、毎月の負担額が減るため「教育資金が必要になった」「妻が仕事を辞めた」など生活資金が圧迫される場合に有効です。
繰上げ返済は、いつでも好きな時に好きな金額だけできるものではありません。
ポイントを押さえて繰上げ返済を行いましょう。
繰上げ返済ができる時期や金額、手数料、繰上げ返済の仕方は、金融機関によって異なります。
住宅ローンを組んだ後、繰上げ返済も視野に入れているのなら、ローンを決める前に繰上げ返済についても調べておきましょう。
時期:いつでも可能な金融機関もあれば、指定された時期でしか受け付けていない金融機関もあります。
金額:1円〜、10万円以上1万円単位、100万円単位など繰上げ返済できる金額が定められています。
手数料:返済手続きにかかる手数料です。無料の場合もあれば1万円以上で設定されている場合もあります。窓口とインターネットで異なる手数料を設定している金融機関も見受けられます。
繰上げ返済の仕方:窓口のみ、電話受付可能、インターネット受付可能など繰上げ返済の仕方も確認しておきましょう。
一般的に、軽減効果が高くなる繰上げ返済のタイミングは「住宅ローンを借りた直後」や「残債が多い時期」と言われています。
早いタイミングで繰上げ返済することで、より軽減効果が得られるのです。
しかしこれはあくまで一般論。
繰上げ返済を行う最適なタイミングとは「今後も家計を圧迫することなく、不安なく生活できる余裕資金ができたとき」です。
無理をして繰上げ返済を行い、教育資金や車の購入費用などに支障が出てはいけません。
住宅ローンとは、家族が幸せに暮らせるマイホームを購入するためのシステムでしかありません。
つまり家族が窮屈な思いをしないで繰上げ返済できるタイミングがベストなのです。
住宅ローンの繰上げ返済は、返済期間を短縮したり毎月の返済額を減らしたりする返済方法です。
支払う利子の総額も減りますから、住宅ローン全体における支払い総額が圧縮できます。
とはいえ生活費を削ってまで繰上げ返済を行うことは本末転倒です。
急な入院や災害が重なっても対応できるよう、無理のない範囲で繰上げ返済をするようになさってください。