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住信SBIネット銀行から最長50年組める住宅ローンが発表されました。
50年ローンはこれまでも一部金融機関で取り扱われていましたが、制限が厳しく利用できる人はごくわずかだったのです。
ところがSBIの50年ローンは地域や収入等の制限がかなり緩く、多くの人が利用できるようになりました。
そこで今回は、最長50年の住宅ローンについて、メリットとデメリットをまとめます。
住宅ローンを何年で設定するか迷っておられる人は、ぜひ最後までお読みください。
目次
2023年9月現在において、最長50年の住宅ローンを取り扱っている金融機関とプランは次の3つです。
このうちフラット50と西日本シティ銀行の住宅ローンは、かなり前から存在しています。
しかし、フラット50には借入額や年齢等で厳しい制限が設けられていますし、西日本シティ銀行は地域性が高いために日本全国どこでも利用できる住宅ローンではありません。
このような理由から、住宅ローンといえば最長35年が常識だったのです。
そこに現れたのが住信SBIネット銀行でした。
ネット銀行ですから地域性にも縛られませんし、利用条件も比較的緩やかです。
35年の住宅ローンが組めない人の救世主となるでしょう。
住宅ローンが最長50年になる最大の恩恵は、毎月の返済額が抑制されることでしょう。
たとえば、毎月6万円の返済は厳しいけれど4万円なら返済可能というご家庭なら、最長50年の住宅ローンでマイホームを手に入れられるチャンスが生まれるのです。
一般的に若い世代は年収が低い傾向にあるので、住宅ローンの審査に通過できないことも少なくありません。そのため、マイホームを購入するのは30代に入ってからが多いようです。
しかしマイホームを持つと決めているのなら、若いうちから購入したいと思うのも当然のこと。
最長50年の住宅ローンなら毎月の支払額が抑制されるため、収入の低い若い世代でも融資審査に通過しやすいのです。
団体信用生命保険とは、万が一の事があった際に住宅ローンの残債がゼロになる保険です。
現在では団体信用生命保険の内容も充実しており、がんと診断されると保険金が受け取れたり、特定疾患で住宅ローンの残債がゼロになったりするものもあります。
一般的な民間の保険は年齢と共に保険料が上がりますが、団体信用生命保険の場合は金利上乗せのため一律です。
つまり団体信用生命保険は、加入期間が長いほどお得なのです。
同じ金額の住宅ローンを組んだとしても、50年ローンの方が35年ローンよりも支払い総額が高くなります。
これは15年分の金利が発生するためで、住宅ローンの契約期間が長いほど金利で差が出るのです。
将来、もしもマイホームを手放さなければならない事態に陥った時、売却しても住宅ローンの残債が完済しきれない恐れがあります。住宅ローンの契約期間が長い代わりに毎月の返済額が低いためです。
たとえば50年ローンで1,000万円を借りた場合、10年後に返済できている金額は単純計算で200万円です。あと800万円残債があります。
ところが35年ローンなら10年間の返済額は約286万円。残債は714万円で80万円以上の差があることになりますね。
よほど立地や条件が良くなければ、購入した金額で売却できることはほぼありません。
売却時には残債を割り込むことも考慮した上で、住宅ローンを選択しましょう。
住宅ローンは原則的に、完済時80歳までの人が利用できます。
つまり考え方によっては、80歳まで住宅ローンを払い続けなければならないのです。
いくら高齢者の再雇用制度が進んでも、80歳で現役並みに働ける人は少ないもの。
年金から住宅ローンを返済していくことになりますが、果たして足りるのかという不安も沸き起こります。
このような事態を防ぐためにも、繰り上げ返済や退職金を充てる等の準備を整えておくことが必要です。
最長50年の住宅ローンにはメリットもデメリットもあります。
利用するかどうかは本記事で紹介した内容を踏まえて、ご家庭の事情や世帯収入、将来の展望等を含めて総合的に判断なさってください。
上手に利用して、理想のマイホームを手に入れましょう。