一戸建ての基本知識
そもそも一戸建てとは、マンションやアパートといった集合住宅に対して使われる言葉で、
一戸で一棟の住宅を指します。戸建て、一軒家も同じ意味として使われます。
「一戸建てを購入したい」と考えた方は、最初に注文住宅と建売住宅という言葉にぶつかると思います。
建売住宅とは「不動産会社が家を建築して、土地と合わせて販売する住宅」という意味です。
基本的に新築の住宅を指します。(新築とは「完成から1年以内で、未入居の物件」ということです)
ちなみに似た言葉として、売建住宅というものがありますが、不動産業者が土地を売ってから建築請負契約を結び、
一戸建てを建設して引き渡す住宅のことです。漢字の通り、売ってから建てるわけです。
それに対し、注文住宅は土地を購入し、購入者が設計・施工業者を探し、建築する住宅です。
売建住宅と異なるのは、建築業者が決まっているかどうかということです。
<一軒家のこれから>
国土交通省のデータによると、2015年の新設住宅は90万9,299戸で2年ぶりに増加しました。
2013年は消費税増税前の駆け込み需要で98万25戸にまで増加しましたが、2014年はその反動で、
88万470戸に落ち込みました。それを取り戻したのが、2015年というわけです。
野村総合研究所の「2025年の住宅市場」というデータによると、新設住宅は2025年には
60万戸にまで減少するということです。
「新設住宅市場の縮小は避けられない。住生活の質的向上に向けて、リフォーム・中古住宅流通の
活性化が必須となる」とまとめられていますが、量より質、そして、質の良い住宅を長く使っていく時代
になっていきそうです。
▲バブルを境に徐々に下がっていってます。(参照元:2025年の住宅市場)
一戸建ての住まいとしての魅力と弱点
戸建ての魅力は、何と言っても「自由さ」にあります。
集合住宅にある管理規約みたいな決まりに縛られたくない、防犯や災害対策なども全部自分でやってみたい
というような自立心や好奇心がある人に向いています。
では、一戸建ての具体的なメリットとデメリットを見ていきましょう。
一戸建て全般のメリット・デメリット
一戸建ての5つのメリット
・庭など自分の敷地内のスペースを活用することができる
・築年数が経過しても土地部分の価値があるため、資産価値はそれなりに残る
・自由に増築や建て替えができる
・独立性が高いので、プライバシー面に優れている
・隣家と離れているほど、騒音面で神経質になる必要がない
最初に挙げられる一戸建ての魅力は、自分の思い通りに土地を使用できることです。
もちろん、法律的な制限がありますが、ガーデニングをしたり、駐車場を作ったりと、
思いのままに使うことができます。
住むにあたっても、隣の家と離れていればあまり音に気にする必要はありません。
一戸建てに住んで「パーティーで気兼ねなく騒げるようになった」という体験談を聞いたことがあります。
それに、プライバシーの面でも優れています。もちろん、柵やブラインドなど工夫が必要な場合もありますが、
集合住宅よりか他人の目が気になることはありません。
▲太陽光パネルを大胆に取り入れられるのも戸建ての魅力ですね。(出典元:ネクサスアールホーム)
・最寄り駅から離れている場合が多い
・高齢になると暮らしにくくなる場合がある
・空き巣や放火などの防犯(セキュリティ)面を意識する必要がある
・災害、害虫対策などに気をつかわなければならない
便利な場所には、商業施設や集合住宅が建てられるので、一戸建ては駅などから離れている傾向があります。
もちろん、立地が良い一戸建てもありますが、その分、土地の値段は高くなってしまいます。
それに、立地も関係しますが、戸建ては高齢になると暮らしにくくなると言われています。
若い時は苦もなく階段を上り下りできても、年を取れば大変になってしまいます。
それに、病院やスーパーから遠い一軒家だと行くのが大変ですよね。
次に、一軒家は防犯に気をつけなくてはなりません。集合住宅では、オートロック、防犯カメラなどを
入り口に設置すれば各戸に恩恵がありますが、一軒家では家主が自分の家のためだけに、
防犯設備を入れる必要があるのです。
それに、災害・害虫対策も必要になってきます。
集合住宅は鉄骨鉄筋コンクリートで頑丈な建物が多いですが、木造が主流の一軒家では、
洪水やシロアリなどの害虫が発生した場合どうするかなども考えておくべきなのです。
やはり、自分で何でもやりたいという方には戸建てが向いているのでしょうね。
住宅は、購入するその人によってケースバイケース、
何が良いかは変わるものです。
注文住宅は、何と言っても自由度の高さが魅力!
自分にとって何が最適かをよく考えたうえで、
賃貸なのか注文住宅なのか考えたいところですね。